シクラメンは冬に時期にはその美しい花で多くの人々を魅了してくれますよね。次のシーズンも、また花を咲かせるためには夏を乗り越える必要があります。
シクラメンが夏を越すためには適切なケアが欠かせません。特に夏越しが上手くいくかどうかで、次のシーズンの花の咲き具合に大きく影響してしまいます。
この記事では、シクラメンの夏越しの方法をお伝えしながら、夏越しの際によくある失敗とその対策について詳しく解説していきます。一緒にシクラメンの夏越しを成功させましょう。
シクラメンの夏越し
シクラメンを育てていると、「夏越し」という言葉をよく耳にしますよね。
でも、具体的にどんなことをすればいいのか、戸惑う方も多いのではないでしょうか。
この章では、シクラメンの性質とともに、夏越しの意味や基本の考え方をわかりやすく解説します。
シクラメンは、春までに咲き終えたあと、夏の暑さがくると活動をお休みする「休眠植物」です。
枯れたように見えることもありますが、実は地下の球根がしっかりと生きていて、涼しくなるのをじっと待っています。
つまり、夏に元気がなくなったからといって「失敗」ではなく、きちんとサポートしてあげれば、
翌年またきれいな花を咲かせてくれる可能性が十分あるということです。
このように、夏越しとは、暑さに弱いシクラメンを見守りながら次の開花につなげる、
いわば“見えない時期のサポート期間”ともいえます。
なお、近年人気の「ガーデンシクラメン」や原種系には、完全に休眠しないものもあり、
種類によって夏越しの対応は少しずつ異なる点も覚えておくと安心です。
シクラメン2つの夏越し法:休眠法と非休眠法
「夏越し」とひとことで言っても、実は方法が2つあるのを知っていますか?
ひとつは、シクラメンを完全に休ませる「休眠法」。
もうひとつは、弱らないように管理しながら育て続ける「非休眠法」です。
ここでは、それぞれの特徴とポイントをご紹介します。
完全にお休みさせる「休眠法」
シクラメンが暑さで弱る前に、意識的に休眠に入らせてしまうのが「休眠法」です。
球根だけの状態にして夏を乗り越えさせ、秋にまた芽を出すのを待ちます。
- 時期:梅雨入り頃〜気温が25℃を超える前にスタート
- 方法:すべての葉を取り除き、球根ごと鉢を涼しくて乾燥した場所に置く
- 水やり:断水。カラカラにしてOK
- 再開時期:9月下旬〜10月頃。球根の表面がシワシワになる頃が目安
見守りながら育てる「非休眠法」
ガーデンシクラメンなど、種類によっては休眠しにくいタイプもあります。
その場合は、葉を残したまま夏を乗り切る「非休眠法」がおすすめです。
- 場所:風通しのよい半日陰(直射日光を避ける)
- 水やり:土の表面が乾いたら控えめに与える(湿りすぎに注意)
- 環境:室内または北向きのベランダなど、涼しい場所
葉が残っていれば、光合成で球根に栄養をためることができるので、
うまくいけば翌年の開花がよりスムーズになるという利点もあります。

シクラメン夏越しのステップと管理のポイント
シクラメンを無事に夏越しさせるには、方法を選ぶだけでなく、
それぞれのステップや季節ごとの管理がとても大切です。
ここでは、休眠法・非休眠法どちらにも共通する「夏越し成功の流れ」と、
押さえておきたい管理ポイントを詳しくご紹介します。
STEP1:方法を選ぶ(5〜6月)
梅雨入りの少し前~6月中旬ごろまでに、「休眠法」か「非休眠法」を選択します。
球根の様子や葉の元気さ、育てている環境(日当たり・気温)に応じて選びましょう。
STEP2:葉や土の状態をチェック(6月〜7月)
・休眠法を選んだ場合:葉を全てカットし、乾燥保存を開始します。
・非休眠法の場合:黄色く変色した葉を取り除き、蒸れを防ぐように管理します。
STEP3:管理場所と温度を意識(7月〜8月)
- 休眠法:風通しがよく、直射日光の当たらない室内。北側の棚や押し入れの中もOK。
- 非休眠法:屋外なら日陰で風通しのよい場所。室内なら窓辺を避けて涼しい場所へ。
STEP4:水やりと肥料の調整
・休眠法:完全断水(与える必要はありません)
・非休眠法:土がカラカラになってから少量ずつ。液体肥料は秋までお休み。
STEP5:9月中旬〜下旬に管理を切り替える
気温が下がってくる頃、球根の表面に「シワ」や「新芽の兆し」が見られたら水やりを再開します。
非休眠法でも葉が動き始めたら、様子を見ながら軽く施肥しましょう。
シクラメンの夏越しでよくある失敗と対策
せっかく頑張って夏越しの準備をしたのに、「葉っぱが枯れてしまった」「新芽が出てこない」など、
うまくいかずに落ち込んでしまうケースも少なくありません。
ここでは、よくある失敗例とその原因、そして対策について具体的にご紹介します。
失敗1:夏越し中に球根が腐ってしまった
原因:高温多湿の環境・風通しの悪さ・水の与えすぎなど
対策:乾燥管理を徹底し、湿気のこもらない場所で保管。
休眠法なら断水を守り、非休眠法でも「少なめの水やり」を心がけます。
失敗2:葉が黄色くなって落ちた
原因:直射日光・水切れ・蒸れなどのストレス
対策:葉焼けや蒸れを防ぐため、風通しのよい半日陰へ移動。
また、急な乾燥や多湿を避けて、徐々に環境を慣らしていくのも効果的です。
失敗3:新芽が出ない・花が咲かない
原因:夏越し中の球根の弱り・肥料不足・光不足など
対策:9月下旬からの水やり再開を丁寧に行い、球根の状態を観察します。
葉が出てきたら、様子を見て少量の液体肥料を与えるのも◎。
失敗4:葉を切りすぎてしまった
原因:非休眠法のつもりが、葉をすべてカットしてしまったケースなど
対策:非休眠法では基本的に葉を残して管理するのが正解。
間違えて切ってしまった場合は、無理に育てず、乾燥保存に切り替えて様子を見るのもひとつの手です。
失敗5:夏越し後も全然元気がない
原因:夏の間の水分・光・肥料バランスの乱れや根の傷みなど
対策:鉢から抜いて球根や根の状態をチェック。
再生が難しい場合は、次のシーズンに向けて株を更新するのも選択肢です。
シクラメンの夏越しのポイントは?のQ&A
Q&A|シクラメンの夏越しでつまずきやすい疑問を解決!
夏越しを始めたばかりの頃は、タイミングや管理方法に戸惑うことも多いですよね。
「これで合ってるのかな?」「ちょっと心配…」と感じたときのために、
シクラメンの夏越しでよくある質問とその答えをまとめました。
初心者さんの「?」が「なるほど!」になるヒントになれば嬉しいです。
Q. 葉っぱが黄色くなってきました。失敗でしょうか?
A. 葉の黄変は、休眠に入るサインであることが多いです。
ただし、葉がしおれてブヨブヨしていたり、黒ずみがある場合は高温多湿による根腐れの可能性も。
葉の様子や鉢の中の状態をチェックしてみてください。
Q. 夏越し中の水やりは、まったくあげなくていいの?
A. 休眠法の場合は基本的に「断水」しますが、非休眠法なら土の表面が乾いてきたタイミングで少しずつ与えてOKです。
ただし、湿気が多い時期は控えめにし、風通しの良い場所で管理しましょう。
Q. 室内と屋外、どちらで夏越しするのが正解?
A. どちらでも可能ですが、重要なのは「風通し」「温度」「湿度」のバランスです。
室内は湿気がこもりやすいため注意が必要。
屋外なら軒下や木陰などの涼しい場所を選ぶとよいでしょう。
Q. 冷蔵庫で保管してもいいって聞いたけど本当?
A. 一部では「冷蔵庫保管(冷暗所)」が紹介されることもありますが、
一般家庭の冷蔵庫は湿度管理が難しく、球根が傷んでしまうリスクも高めです。
基本は風通しの良い日陰がベストです。
Q. 夏越し後、いつごろから新芽が出てきますか?
A. 早ければ9月中旬ごろから変化が見られるようになります。
球根が生きていれば、徐々に新芽が顔を出してくるので、焦らず待ちましょう。
水やり再開は芽が見えてから少しずつ始めると◎です。
Q. ガーデンシクラメンも同じ方法で夏越しできますか?
A. ガーデンシクラメンは比較的暑さに強く、完全に休眠しないものもあります。
そのため、非休眠法で管理する方が向いているケースが多いです。
ただし真夏はやはり涼しい場所での管理が基本となります。
まとめ
シクラメンは夏になると休眠に入り、活動を一時お休みします。これは「枯れてしまった」わけではなく、秋以降にまた花を咲かせるための大切な準備期間です。
夏越しには「休眠法」と「非休眠法」の2種類があり、環境や品種によって適した方法を選ぶことが大切です。
水やりの加減や風通し、日陰の確保など、“見えない部分”のケアが成功のカギ。葉が黄色くなったりしても焦らず、球根の状態を信じて静かに見守りましょう。
また、夏越しに失敗しても落ち込まず、原因を知ることで翌年への対策に繋がります。
シクラメンを育てる際、夏場も正しい管理を行えば次の冬も美しい花を咲かせてくれるので、楽しみが増えますよね。シクラメンの栽培については以下の記事も、ぜひ参考にしてください。
>>シクラメンの水やりのタイミングは?しおれる原因や対策についても!